Comedy Script

AIとキリギリス ― 漫才編 ―

登場人物:アリ(ボケ・地道だけど発想ズレてる女の子)、キリギリス(ツッコミ・陽気でテンポ良し)
舞台:冬支度の妄想が止まらないデジタル時代
アリ

(パソコンをカタカタ)

……よしっ!できたー! AIに頼んで冬眠用の食料リスト作ったんだ〜。えっと、米、パン、バナナ……あと「Wi‑Fi」っと。

おい待てぇい! 最後のWi‑Fiってなんや! 食べ物じゃないやろ!

キリギリス
アリ

いやいや、冬にネットなかったら私、生きるモチベが氷点下まで下がっちゃうもん。ご飯は多少減ってもいいけど、動画とSNSは毎日補給しないと絶対無理!

食欲よりネット欲が勝ってるってどういう生活やねん!

キリギリス
アリ

でね、ついでにAIに「冬でも楽しく過ごす方法」って質問してみたの。そしたら「働かないでいい方法」って返ってきたのよ。

……それ、完全に俺向けやろ! お前普段から働きすぎやのに!

キリギリス
アリ

いやいや、さらにびっくりしたのが、その下に書いてあった追加アドバイス。「キリギリスに全部やらせる」って堂々と書いてあったの。

AIまで俺をパシリ扱いか! 偏見データでも学習したんか!

キリギリス
アリ

(スマホを見ながら)

あ、そうだ。今のうちにAIで歌も作っておこっと。タイトルは……『冬に食べるWi‑Fi』。なんかおしゃれじゃない?

おしゃれじゃなくて意味わからんねん! そもそも食べれない!

キリギリス
アリ

じゃあ……『冬に食べる推しAI』にする。

余計意味不明になっとるわ! 推しって食材カテゴリーちゃうやろ!

キリギリス
アリ

でもね、私AIだけじゃなくて、ちゃんと現実的な準備もしてるんだよ。ほら見て、冬用の保存食、これだけ揃えたの!

(袋を覗く)

……全部カップラーメンやん。種類だけはやたら豊富やけど。

キリギリス
アリ

そうそう! 味噌、醤油、塩、とんこつ、期間限定のチーズカレー味まで! お湯はAIにお願いすれば、毎日完璧に食べられるもん。

いや、AIにお湯は沸かせへんて! 物理的に無理や!

キリギリス
アリ

じゃあ、お湯が必要ないパン缶も追加する? あ、でもパン缶だとネットの速度上がらないよね?

何の話や! 食べ物でネット速度は変わらんわ!

キリギリス
アリ

まぁ冬になって困ったら、一緒にAI使って何とかしよ〜。ほら、二人で頭突き合わせてさ、AIに「助けて〜」って言えば、何とかなるって。

(ため息)

……その時AIサーバー落ちてたらどうすんだよ?

キリギリス
アリ

じゃあ……キリちゃんが歌って、私がWi‑Fi食べる。

だから食えないって何回言わせんねん! ……てか、冬眠より先にお前の発想を冬眠させろ!

キリギリス
— 終わり —

ご観劇ありがとうございました。