著者: 冬雪藍梨柊 (ふゆきあいりす)
※使用時はクレジット表記または口頭での説明をお願いします。
※台本の登場人物名はご自由に変更してかまいません。

花の国とゆきの花

【場面1】
ここは、1年中花咲くとある国。 そこには毎日変わらない景色を眺める1人のお姫様がいました。 お姫様は毎日窓の外を見つめながら今日もまた考え事をしているようです。 今日もまた...夜も遅く...
はぁ...色とりどりのお花たち。 とっても綺麗だけど...お話の中にあった雪の花はさらに綺麗だったなあ。 カラフルなお花たちはとっても素敵だけど...はぁ...
おや...どうしたんだい?僕の可愛いお姫様。 外を見つめてためいきばかりしているじゃないか。 僕の国は君には退屈かな?
いいえ。そんなことないですみかげ様。 とっても綺麗で美しい国ですよ。 ...ただ、昔物語の中に出てきた透明な雪の花。 それがどうしても頭から離れられなくて...
1年通して花が咲き乱れ、まりかを包んでくれる香り豊かな自然だけじゃダメなのかい?
...いえ...そんなことは...
...ふむ。少し眠るといい。 眠りが浅いようだからゆっくり目を閉じておやすみ。 また明日、庭を共に歩きましょう。 さぁまりか。...おやすみ。
はい...おやすみなさい。みかげ様。
さ 静かに目を閉じたまりか姫。 おやおや...夢の中まで、まいごの子どもが迷い込んだみたいだ。 これからどうなるのか...覗いて見ましょう。
...あつぅい。ここは暑くて溶けちゃうよ〜。 ぽかぽかいい天気だけど、僕にはあつすぎる〜。
ねぇねぇ
ひゃ?!き、きみはだれ?!
あっ💦驚かせてごめんなさい? 私はまりかっていうの。ここは多分...私の夢の中だと思うのだけど...貴方は?
...まりちゃ?僕はあいりすって言うんだよ!ゆきの国からお散歩してたらまいごになって迷い込んだの。
まりかなんだけど...笑 そうなんだ?ゆきの国ってどんなとこなの?
ゆきの国は一面まっしろでね、キラキラしててとっても綺麗なんだよ! ここも綺麗だけどお目目がちかちかするかもお〜...
...まっしろ...キラキラ...✨ ねぇあいりすちゃん。おうちまで一緒に歩いてあげる。 私もついてっていいかな?
一緒に行ってくれるの?! まりちゃが一緒なら怖くないね!んとんと... ここをずーっと歩いてきたよ!
さ 2人は夢の隙間の真っ暗な空間を歩いてったようです。 手を繋いでトコトコと。 カラフルな花の国とまっしろなゆきの国。 まりか姫は心踊らせながらあいりすについて行ってしまいましたね。 おや...どうやら2人はゆきの国を見つけたようです。 覗いて行きましょう...
まりちゃ!ついたついた!ここが僕の住むゆきの国だよ!まっしろできらきらで綺麗でしょ!
ぅぅ...さ...寒...。(目をゆっくりとあけ)...ぅわあ...。すっごい...綺麗...白くてキラキラしてて...。
そうなの!ずーっとゆきが降ってるんだよ! ほら見て✨これゆきのはな。
さ あいりすが見せたのは...空から降りつづける雪の結晶。 それこそまりかが夢にみていたゆきの花でした。 白く儚い結晶は...まりかの手に乗るとスゥっと消えてしまったのです。
あっ...!消えちゃう。そんな...せっかく見つけたのに...みかげ様にも見せたかったのに...
みかげ様...?まりちゃの大事な人なのかな? ゆきの花はね、ゆきの国でしか咲かないから外には出せないの。 でもね、心の中にもゆきの花はあるんだよ
心の中の...ゆきの花??
うん!それはねずっと溶けずにみんなの心にあるの。 最初はまっしろでなにも色づいてないんだけど...たくさん色んなことを知って、たくさん色んなことを見て自分だけのお花になるんだよ。
自分だけの...ゆきの花...。そっか...そうなんだね。ありがとうあいりすちゃん。 私もう行かなきゃ。
大切なもの見つかった?まりちゃ、僕もおうちに連れてきてくれてありがとう。 今日はバイバイかもしれないけど、またいつかきっと会えるよ!心の中のゆきの花は僕の色をそっと受け入れてくれたから!
うん...うん。大切なものわかったよ。変わらないんじゃなかったね。受け入れてあげられてなかったんだね。 会いに行かなきゃ...またねあいりすちゃん。
さ 2人が大切なものに気づいた時...。花の国は大騒ぎでした。 それはずっと病に伏せていたまりか姫が、数日の間目を覚まさないため。 みかげ王子は心が酷く傷ついてずっとまりか姫の傍から離れないでいました。
まりか...手がこんなに冷たくなって...どうして目を覚ましてくれないんだ? 君の好きな花をたくさん用意した。 君の好きな香りをたくさん用意した。 僕は君に何をすればいい...?何を...してあげたら...
...み...みかげ...様...?
まりか?!...ぁぁ...あぁ...目を覚ましたんだね...
夢を...見ました。ずっと変わらない日常に...希望をなくしてた私を...。 ずっと...そばに居てくれたんですね?
当たり前だ。...君は大切な僕の花嫁なんだから...
ふふふ...。貴方が用意してくれたたくさんの想いは私の心の花を色付けてくれました。 これからも共にいてくださいね。
僕は君に...たくさんもらっているよ。 ありがとう...
さ これはとある花の国の話。 ゆきの花は心にあるもの。 まっしろでキラキラしていて色んな色に変わるもの。 それは、自分だけじゃなく...色々な人の色を受け取り変わりゆくもの。 希望も、絶望も、幸せも、貴方はどんな花を咲かせて行くのでしょうか?